流通するサケの種類
ケイジ(鮭児)(chum salmon)
翌年以降に成熟するシロザケで、アキアジが成熟し産卵間近なのに対してケイジはまだ未成熟の鮭なので、秋サケ以上に脂肪分が非常に多く霜降り状に脂肪が存在するため、身の色はピンク色(アキアジのオレンジ色に比べると赤みが薄い)。未成熟のためオス・メス共にハラス部分が厚く脂肪分も多いので、美味として珍重されている。未成熟な鮭から鮭の児(子供)でケイジと呼ばれたらしい。
主に9月~12月に漁獲され、タッグを付けて差別化して出荷する地域もある。
トキシラズ(時不知)(chum salmon)
その年に成熟するシロザケで、ケイジよりは成熟しているがメジカやアキアジほどは成熟していない。 4月から8月中旬に三陸・北海道太平洋側・オホーツク沿岸にて漁獲される。
一般的なシロザケ漁の時期と違う季節に漁獲されるので、本来の時期を知らない魚としてトキシラズと呼ばれたらしい。
秋サケが成熟し産卵間近なのに対してトキシラズはまだ未成熟の鮭なので、秋サケ以上に脂肪分が多く美味で、ケイジ(鮭児)同様珍重されている。
メジカ(目近)(chum salmon)
その年に成熟するシロザケで、トキシラズが春から夏にかけて漁獲されるのに対し、メジカは秋から初冬にアキアジと一緒に漁獲される。
アキアジより成熟していないため顔が小さく目と目が近いことから、アキアジと区別するためにメジカと呼ばれたらしい。
秋サケが成熟し産卵間近なのに対してメジカはまだ未成熟の鮭なので、秋サケ以上に脂肪分が多く美味で、珍重されている。
アキアジ(秋鮭)(chum salmon)
7月から12月にかけて漁獲され、十分に成熟しているシロザケで、一般に切り身や新巻などで広く流通している。
オス・メスの他に「ギン」「ブナA」「ブナB」「ブナC」等にランク分けされてセリにかけられる。
脂肪分は成熟の度合により少なくなり、淡白で様々な料理の材料となる。また、塩蔵による旨み成分の増加が科学的にも認められ、「山漬け」等の新巻も出回っている。
カラフトマス(樺太鱒)(pink salmon)
一般に鱒と呼ばれる種類で、北海道から樺太にかけて生息し、8月から9月にかけて漁獲される。
オスは成熟してくると背中が盛り上がり「セッパリ」と呼ばれ、珍しさから剥製にする人もいる。
成熟する前(銀毛)は、アキアジより脂がのっていて身の赤みも強く美味。成熟すると鱗が落ち身の赤みも薄くなり脂が落ちて淡白になる。
サクラマス(桜鱒)(cherry salmon)
桜が咲く頃に川へ遡上する鱒で、カラフトマスより身の赤みが強く脂がのっていて美味。
成熟すると魚体が婚姻色で赤くなる。
4月から6月にかけて漁獲されるが、出荷数は多くない。